iPhoneでWi-Fi接続に「プライバシーに関する警告」と表示される事象が多く確認されています。iOS 15以降で表示されるようになり主に2種類の表示があります。
それぞれ原因と対処方を紹介します 。
表示が「安全性の低いセキュリティ」と表示される場合は以下を確認してください。
→「安全性の低いセキュリティ」とWi-Fiに警告表示される【iPhone】
①このネットワークは暗号化されたDNS・・・
表示される警告
「このネットワークは暗号化されたDNSのトラフィックをブロックしています。デバイスがこのネットワーク上でアクセスするWebサイトやほかのサーバの名前は、このネットワーク上のほかのデバイスによって監視および記録される場合があります。」と表示されますが、わかりにくい表現で意味不明の方も多いと思います。
DNS(ドメインネームシステム)とは、インターネット上のドメイン名を管理するシステムです。インターネットに接続するすべて機器にはIPアドレスが必ず存在します。また訪れるのWebサイトにアクセスする際にもIPアドレスを指定してアクセスします。
例えばブラウザでアドレスを指定するとDNSサーバに照会してIPアドレスを確認し、そのWebページへアクセスするという流れで、DNSサーバはHPアドレスとIPアドレスを紐づける重要な存在です。
このDNSが「暗号化されていませんよ」と警告している表示となります。iPhone再起動やWi-Fi再接続で一時的に出なくなりますが、しばらくするとまた表示される場合があります。
対策は
この警告表示は接続しているWi-Fiが「Appleが推奨するセキュリティ基準を満たしていません」と言うことですが、ハードルが高すぎて多くのユーザーに表示されていしましました。実際は自宅のWi-Fiなど信頼できる通信経路(回線やWi-Fiルーター)であれば何かしらの対策は必要ありません。
Appleのセキュリティ基準→Wi-Fi ルーターと Wi-Fi アクセスポイントの推奨設定
iOS15.3以降では表示される基準が変わったのかほとんどのユーザーで警告は出なくなります。そのためiPhoneのOSバージョンを最新に更新してください。
しかし公共のWi-Fiで表示される場合は利用しないか信頼できるVPNサービス(アプリ)を利用することをおすすめします。
DNSを書き換える攻撃も
数年前にはルーターを狙った攻撃もありました。DNS設定を書き換えて、接続しているデバイスが正規のサイトにアクセスしようとしても不正サイトに誘導されてしまい情報を盗むフィッシング手口も実際にありました。
それぞれのルーターメーカーのファームウェア更新やセキュリティアプリで対策されましたが、サポートが終了している古いWi-Fiルーターを使っている場合は買い替えも検討してください。
このネットワークではプライベートWi-Fiアドレスは・・・
表示される警告
「このネットワークではプライベートWi-Fiアドレスがオフになっています。プライベートアドレスを使用することで、複数のWi-Fiネットワーク間のiPhoneトラッキングを減らすことができます。」
プライベートアドレスとは、Wi-Fiに接続するデバイスには固有のMACアドレス(Media Access Control)があります。今までは同じMACアドレスを利用することでネットワーク上のデバイスを追跡することが可能でした。プライベートアドレスはランダムなMACアドレスを利用することでプライバシー強化になります。
この警告表示はiPhoneのプライベートアドレス機能がOFFになっていることを警告しています。上記とは内容が違います。
対策方法
接続しているWi-FiのプライベートWi-Fiアドレス機能をONにすることで警告表示はされなくなります。しかし職場のWi-Fiや自宅のWi-Fiで「MACアドレスフィルタリング」を設定している場合には、プライベートWi-Fiアドレス機能を有効にするとWi-Fi接続できなくなるので注意してください。
MACアドレスフィルタリングが使用されている場合には、プライベートWi-FiアドレスOFF(デバイスのMAC使用)でしか利用できないので、この警告表示を消すことはできません。
Phoneに表示される「プライバシーに関する警告」は上記のように状況によって警告の表示内容が変わります。「警告」と表示されるので怖くなりますが、内容をよく理解して利用状況に応じた設定や利用してください。